ホームインスペクション(住宅診断)って?
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅の専門家であるホームインスペクター(住宅診断士)が、住宅の劣化具合、欠陥部分の有無、改修が必要な箇所や改修時期、必要な費用を総合的に診断することです。
こちらは、日本ホームインスペクターズ協会が定めている民間資格で、公認資格試験に合格して認定会員として登録している個人の方が、短時間で診断可能な範囲で住宅の診断を行うものです。尚、天井などの隠れている箇所やリスクの解消が難しい箇所などの診断・調査は、破壊調査に該当する内容になります。そのため、ホームインスペクションの範囲には含まれません。
大まかな診断内容としては、ひび割れ・建物の傾き・水漏れ・害虫被害の有無・雨漏り・設備の動作確認を行います。
住宅購入にホームインスペクション(住宅診断)は必要?
形態や新築・中古問わず、ホームインスペクションはどんな住宅でも活躍するでしょう。ここでは新築住宅、中古住宅、アパートなど、それぞれの住宅診断の必要性について見ていきましょう。
新築住宅
現在では建築基準法もより強化され、新築住宅であるほど安全性が高いといえます。だからといって、問題が起こらないとは限りません。というのも、建築基準法でチェックすることが必須ではない項目もあるからです。たとえば、構造体・金物・基礎などの鉄筋部分などが、それにあたります。
そこでホームインスペクションを行うことによって問題点を事前に確認できるため、新築住宅でも十分に役割を果たしてくれます。
中古住宅
過去に誰かが住んでいて、築年数が経過している中古住宅は、よりホームインスペクションが欠かせません。使い古された家の確認を購入前に怠ってしまうと、住み始めてからトラブルが発生し、それ以上住むことができない事態にまで発展してしまう恐れもあります。
また中古住宅は、リフォームも兼ねて購入するケースが多いのですが、その際にホームインスペクションをすれば、どんなリフォームが必要なのかをハッキリさせることができるでしょう。
アパート
不動産投資でアパートを購入する場合にも、新築・中古問わず事前のホームインスペクションがおすすめです。なぜなら、アパートでは施工不良があることも少なくないからです。
大手企業によるアパート建築で法令違反が発覚したケースも度々あり、このような実態があることを踏まえると、どんなに新しい建物でも気を抜かない方がいいと言えます。また、こうした問題が起こるもうひとつの原因として、オーナーが無関心であったことも関係しています。
たとえば自己居住用の住まいの場合だと、第三者のホームインスペクション業者に依頼するケースが増えており、それにともなって居住後のトラブルが起きにくくなりました。その一方でアパートのオーナーは、第三者のホームインスペクション業者に依頼することがあまりなく、施工ミスを早めに解決することができていないのが現状です。
以上のことから、購入前にホームインスペクションを行うことの重要性がおわかりいただけたのではないかと思います。中古はいわずもがな、新築であっても施工ミスや手抜き工事などの問題が起こっているので、なるべく第三者目線で確認してもらえるホームインスペクションを利用することをおすすめします。
ホームインスペクションを依頼するタイミングはいつがベスト?
ホームインスペクションを依頼する場合、どのタイミングで行うべきなのでしょうか。新築住宅と中古住宅の2つに分けて、ご紹介します。
新築住宅は完成済・建築前・建築途中の新築住宅かによって、依頼するべきタイミングが異なります。
1つ目の完成済の新築住宅の場合は、購入前に依頼するのが一番おすすめです。理由は劣化が著しかったり、破損個所があった場合に購入を止めることができるためです。しかし、契約後に不具合に気付いたからといって、手遅れということではありません。確かに確認・購入後に診断するのはより良いですが、契約締結後・引渡し前のタイミングでホームインスペクションを依頼すれば、補修が必要な箇所を把握することができます。入居前に補修工事を依頼することで、入居後の住宅トラブルを防止することもできるのです。
2つ目建築前の新築住宅の場合は、建築前では検査する物件がありません。強いて言えば、土地と住宅を同時に購入する方は土地調査を依頼するのも良いと思います。ホームインスペクションについては、契約後に工事が始まってから住宅検査を依頼するのが良いでしょう。専門家に一度だけ検査してもらうのと異なり、工事の途中で何回も検査を依頼することができます。
3つ目に建築途中の新築住宅の場合は、工程によってインスペクションができる場合とできない場合があります。そのため、あらかじめ業者にインスペクションを希望している旨を伝えておき、工程の段階ごとにインスペクションしてもらうのが良いでしょう。
また新築住宅の購入後に起こりうるリスクとしては、「大きな損傷があったために、生活に支障が出る」「損傷があったにも関わらず、売主が対応してくれない」「補修工事を依頼したが、時間や作業時の手間が大きい」「金銭面でのロスが大きい」などがあります。激しく損傷していないかと不安を抱えたまま、入居するのは気持ちの面でも落ち着かないと思われます。少しでも不安である場合は、ホームインスペクションをを依頼することをおすすめします。
反対に中古住宅の場合、ホームインスペクションを依頼するタイミングは売買契約前が一番おすすめです。中古住宅も新築住宅と同様、購入前に状態を把握できれば契約を取りやめることも可能です。
また、中古住宅に関しては過去にホームインスペクションを受けた履歴があるかどうかの確認・説明、事前に診断を行う旨の説明が必須です。これらの説明が、業者からあるかどうかも確認しましょう。もし売主が居住中などで、過去にホームインスペクションを受けた履歴がある場合は、再調査扱いになる場合もあります。
中古住宅の購入時に起こりうるリスクは「築年数の割には劣化状態が酷く、金額的に損を被ってしまう」「見た目以上に激しい劣化がある」「新築時施工時のミス・欠陥が見つかったため、補修費用が発生してしまう」「補修費用の金額が大きい」「売主が過去にホームインスペクション時にあった損傷を、報告していない」「不動産業者の斡旋業者に依頼したが、報告がない・もしくは内容が簡潔すぎる」などがあります。
また業者によっては契約締結前のホームインスペクションに消極的で、契約締結後のインスペクションを誘導する業者もあるようです。購入される方が納得できるならそれでも良いと思いますが、中古住宅では損傷があった際の補修費用が高くなってしまいがちです。そのためリスクを最小限にして購入したい方は、契約締結前にホームインスペクションを実施してくれる業者を選ぶと良いでしょう。
ポン
- ・完成済の新築住宅の場合は、購入前に依頼するのが一番おすすめ
- 建築前の新築住宅の場合は、工事が始まってから住宅検査を依頼すると良い
- 建築途中の新築住宅の場合は、工程の段階ごとにインスペクションしてもらうのが良い
- 少しでも不安があるなら依頼しよう
- 中古住宅の場合、売買契約前が一番おすすめ
検査の流れ
ホームインスペクションの流れは準備することから始まります。依頼の前には、業者ごとに見積もりを行ってから選ぶとより満足のいく結果となるでしょう。通常、依頼から1週間程度で行われるのが一般的です。
検査を行う場合、事前に家の間取り図が必要な時もあります。これ以外にも必要な書類はあるため、事前に確認しておくと当日の作業がスムーズにいくでしょう。また、契約前の物件だと売主に許可を得る必要があるため、準備はできるだけ早く行うとよいです。
検査当日は、事前の準備をもとに調査を行います。説明を聞き、問題なければ検査開始です。検査の流れは、外観→建物内部→床下や屋根裏という形で進んでいきます。
検査の所要時間は診断のみで2~3時間程度、床下や屋根裏など細かいところまでチェックする場合は合計で5~6時間程度かかります。これらに加えて、オプションで調査するところを増やす場合はさらに時間がかかるため、検査当日は余裕のあるスケジュールを確保するとよいでしょう。
調査が完了したら、業者から調査結果の報告書が届きます。報告内容に問題がなければ、支払いを行い依頼完了となります。
検査内容を把握しておこう!
調査の流れは業者により多少異なる場合がありますが、
依頼主と待ち合わせ⇒当日の流れの説明⇒診断⇒現地説明⇒支払い⇒報告書作成・送付⇒アフターフォロー
が大きな流れになります。
ホームインスペクション時は、標準調査で決められた項目の調査を行います。それに加えて、必要に応じて住宅の部分ごとの調査を追加すると、より詳しく見てもらうことができます。外回りと室内の調査を同時に行う場合、全体のインスペクションに加えて、外回りと室内いずれかで劣化や損傷があった際の照らし合わせての調査も行います。具体例でいうと、室内の天井のシミがあった際は室内だけでなく外壁や屋根の調査も行うことを指します。
また、診断時のチェック項目は新築住宅と中古住宅とで異なります。そこで、新築住宅の検査と中古住宅の検査で分けてご紹介します。
新築住宅の検査
新築住宅のホームインスペクションは、主に「外回り」「室内」「設備」に分けて調査します。外回りはの調査項目は、「基礎」「外壁」「軒裏」「雨桶」「バルコニー(2階部分)」を調査することが多いようです。屋根の調査については、地上から目視可能な範囲での確認になることが多く、会社によっては外溝の調査が対象なことも有るようです。
室内の調査項目は、室内の各スペースの「床」・「壁」「天井」「建具」「床下」「屋根裏」を調査します。標準的な調査プランだと、目視できる範囲での調査で実施することが多く、床下や屋根裏の内部進入調査は、オプションプランとして設定されていることが多いようです。
中古住宅の検査
中古住宅のホームインスペクションも、主に「外回り」「室内」「設備」に分けて調査します。外回りはの調査項目は「基礎」「外壁」「雨桶」「バルコニー(2階部分)」を調査します。新築住宅とはあまり大きな違いはないように思えますが、新築住宅より築年数が長いため経年劣化による損傷
室がないかどうかも、詳しく見ていきます。内の調査項目は、新築住宅と同様に室内の各スペースの「床」「壁」「天井」「建具」「床下」「屋根裏」を調査します。家具や電化製品などがある場合は、そのまま移動させない状態で調査することが多いようです。
設備機器に関しても水道・電気などが主な対象で、ガス設備は会社によって対応が異なるようです。
ポン
- 調査の流れは、依頼主と待ち合わせ⇒当日の流れの説明⇒診断⇒現地説明⇒支払い⇒報告書作成・送付⇒アフターフォロー
- 新築住宅…外回り・室内・設備の3つに分けて調査
- 中古住宅…外回り・室内・設備の3つに分けて調査し、経年劣化による損傷などを慎重にチェックされる
ホームインスペクション業者の選び方
ホームインスペクションを依頼するときには、どのような業者を選べばよいのでしょうか。ここではホームインスペクション業者の選び方について大きく4つほど紹介します。
実績や資格の確認
ホームインスペクション業者を選ぶポイントのひとつとして、実績や資格の確認があげられます。ホームインスペクションの実績が多い業者であれば、それだけの経験やノウハウがあり、技術力が高いと判断できます。
また実績数が多いことは、多くのお客さんからの信頼が高い業者の証にもなります。そのため、豊富な実績のあるホームインスペクション業者を選ぶことは大切です。
そして、資格においてもできれば一級建築士が担当してくれるホームインスペクション業者であると尚よいでしょう。二級建築士でもホームインスペクションを行うことは可能ですが、一級建築士の資格を持った人の方が有能であることも多い傾向にあるため、ホームインスペクションの担当者の資格も確認しておくとよいでしょう。
適切な価格設定
ホームインスペクション業者を選ぶポイントの2つめは、適切な価格設定であるか否かです。リーズナブルでも質の高い業者ももちろん存在するため、価格と検査の内容がマッチしている業者を選ぶようにしましょう。
高すぎる価格設定も安すぎる価格設定の場合にも、しっかりと内容を見て判断し、妥当な価格であるのかを確認することが大切です。あまりにも安すぎる場合には、癒着や工事受注が目的の場合もあるなど、ホームインスペクション以外の別のサービスで利益をあげようとしている可能性もあります。
そのため、ホームインスペクションの費用相場も認識したうえで、検討することをおすすめします。
コミュニケーション能力の高さ
ホームインスペクション業者を選ぶポイントの3つめは、コミュニケーション能力の高さがあげられます。検査を行うときには専門的な知識を、いかに依頼者へわかりやすく説明してくれる業者か否かも非常に大切です。
検査前の説明はもちろんのこと、検査結果を伝えるときにも依頼者が理解できるように伝えていくことがベストです。依頼者からの質問内容にも、専門用語ではなく、わかりやすく理解できるように回答してくれる業者を選ぶことをおすすめします。
ホームインスペクションが終わったあとも、保証やアフターフォローなどで長く付き合っていくことにもなります。そのため、依頼者と良好なコミュニケーションのとれるホームインスペクション業者を選ぶとよいでしょう。
検査項目やオプションの豊富さと明瞭さ
ホームインスペクション業者を選ぶポイントの4つめは、検査項目やオプションの豊富さ、そして明瞭さです。ホームインスペクションを依頼するときには検査項目をしっかりと確認することが大切です。
とくに基本料金でどこまでの検査項目が含まれているのかを価格と照らし合わせてチェックします。またオプションにも目をとおし、選べるオプションの種類を確認しましょう。
これらの項目の詳細をしっかりと提示してくれる業者であれば、納得してホームインスペクションを依頼することができるでしょう。
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- 実績が豊富で一級建築士が担当する業者
- 検査内容にマッチした価格設定となっている業者
- わかりやすく説明を行うコミュニケーション力の高い業者
- 検査項目やオプションが豊富で、明瞭な業者
東京の戸建て購入事情
現在、東京都内では戸建ての建築数が飛躍的に増えています。一般的な戸建て住宅は、値段も郊外でもそこそこの値段がつきますし、都心エリアは特に高く安くても億単位のマンションもざらにあります。ですが、高額な住宅は購入が難しい人のために、近年ではパワービルダーという比較的安価で購入できる戸建ても増えてきています。
パワービルダーとは、床面積約100㎡程度の土地付き一戸建てのこと、及び土地と建物をセットで販売する建売住宅の分譲会社を指します。販売価格は具体的な価格は地域差が大きく、都心部の利便性の高いエリアほど価格は上がりますが、物件の多くは大手住宅メーカーが提供している価格の半分程度で販売されていることが多いようです。このパワービルダー住宅は狭くて小さめの土地にも対応しているため、需要が高まっているようです。
とはいっても、パワービルダーは分譲住宅になるため「ローンを組んで購入するのは躊躇う…。」という人もいるでしょう。ですが、地域自治体によっては申請により住宅費用の補助金が出る場合もあるようです。補助額や適用条件等は地域により異なるため、詳細は地域のHPなどで確認してみてください。
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- 近年はパワービルダーという比較的安価で購入できる戸建てが増加傾向にある
- パワービルダーとは、床面積約100㎡程度の土地付き一戸建てのこと、及び土地と建物をセットで販売する建売住宅の分譲会社のこと
- 大手住宅メーカーが提供している価格の半分程度で販売されていることが多い
ホームインスペクション(住宅診断)のメリット・デメリット
ここではホームインスペクションのメリット・デメリットを、それぞれご紹介します。
メリットとは?
メリットは「損傷の度合いが詳しく分かる」「購入の判断材料にできる」「どれくらいの期間、住宅として機能するかが分かる」「補修が必要な箇所があった場合、どのように補修工事を依頼すれば良いかが分かる」などが挙げられます。住宅に欠陥や損傷があるかどうかを確認できるため、買い手側は安心感を得ることができます。
「損傷の度合いが詳しく分かる」というのは、専門家の視点で住宅全体の検査を行うため、住宅の劣化具合や損傷があった際の原因を知ることができることを指します。
「どれくらいの期間、住宅として機能するかが分かる」というのは、購入予定の住宅が後どれくらい劣化もなく機能するか、いつぐらいに再検査及び補修の必要が出てくるかを知れることを指します。
「補修が必要な箇所があった場合、どのように補修工事を依頼すれば良いかが分かる」というのは、ホームインスペクション後に見つかった損傷を補修するために、、どのようにすれば良いかを教えてもらえることを指します。
デメリットとは?
反対にデメリットとして挙げられるのは「診断時に費用が発生する」「住宅の欠陥や劣化が把握できる訳ではない」などが挙げられます。
「診断時に費用が発生する」のは、住宅の検査を業者に依頼するため仕方ないことです。ですが、住宅の購入費用に加えて検査費用も掛かるのは、経済的な負担が発生するのは辛いという方もいることでしょう。
「住宅の欠陥や劣化が把握できる訳ではない」のは、ホームインスペクションはあくまで住宅検査の一次診断にあたるためです。劣化や損傷があった際の精密調査や破壊調査については、別の業者に依頼することになります。
このようにメリットとデメリットとそれぞれありますが、安心して住宅を購入することや金銭面でのリスクを避けられることを考慮すると、ホームインスペクションを依頼するメリットのほうが大きそうですね。
ポン
【メリット】
- 損傷の度合いが詳しく分かる
- 購入の判断材料にできる
- どれくらいの期間、住宅として機能するかが分かる
- 補修が必要な箇所があれば、どのように補修工事を依頼すれば良いかが分かる
【デメリット】
- 診断時に費用が発生する
- 住宅の欠陥や劣化が把握できる訳ではない
ホームインスペクションの費用相場はどれくらい?
ホームインスペクションを依頼しようと思ったときに気になる点としては費用面があげられます。ここではホームインスペクションの費用相場について紹介していきます。
基本料金の相場
まずは、基本料金の相場について紹介していきます。基本料金の相場としては、住宅の種類によって異なります。
一戸建ての場合には5万円から7万円程度で、マンションの場合には4万円から6万円程度が基本料金の相場となっています。基本料金には一般的に、住宅の構造の主要な部分と雨漏りの侵入を防ぐ部分、室内の天井や建具、壁や床屋などの全体的な部分が含まれています。
一戸建ての方がマンションのホームインスペクションよりも費用相場が高い理由としては、調査する項目の違いにあります。一戸建ての場合は、目視でのチェックはもちろんのこと、屋根裏や床下などの細かな部分まで調査する必要があります。
また目視でチェックできない箇所は専用の機械を使用して調査する必要があるため、一戸建ての方が基本料金の相場が高くなる傾向にあります。一戸建ての基本料金を下げる方法としては、中古物件であれば、最低限の調査のみを行うとおおよそ5万円でも可能であることが多いです。
ここで紹介したのはあくまで相場のため、住宅の面積や場所などによっても追加料金が発生することもあります。中には、ホームインスペクションの報告書が基本料金には含まれず、別途料金となる業者もあるため、その点も見積もり時に確認しておくとよいでしょう。
オプション料金の相場
次にオプション料金の相場について紹介します。オプション料金の項目としては、上記の基本料金に含まれない調査になります。
おもに2つのメニューがあり、「床下詳細調査」と「屋根裏詳細調査」が挙げられます。
床下詳細調査の料金相場は、1万5,000円から3万5,000円程度、屋根裏詳細調査の料金相場も1万5,000円から3万5,000円程度となっています。
これらの調査が基本料金に入っている業者もありますが、その場合には基本料金も高く設定されています。しかし、床下や屋根裏に侵入できない住宅もあるため、これらの調査項目はオプションとされていた方がさまざまな住宅に合った調査料金となることでしょう。
またほかにも専門的な機材を用いての調査を行う場合にもオプション料金となることがあります。しかしこのような調査には、意味のないものや適切な調査遂行ができないものもあり、依頼者側もきちんとした調査なのか否かを見極めることも難しいことが多いです。
中にはおもちゃのような調査機材でごまかしていることもあり、依頼者側が損をしてしまうケースもあります。そのため、オプション項目をしっかりと確認をし、とくに専門的な機材を用いた調査の提案があった場合には、慎重に確認していく必要があります。
総額の相場
次にホームインスペクションの総額の相場について紹介していきます。特別なオプションは除き、床下と屋根裏の調査を含めた総額の相場を見ていきます。
一戸建ての場合は、8万円から14万円程度、マンションの場合には4万円から9万円程度が総額の相場となっています。マンションにおいては、建物の条件にもよりますが、コンクリート強度試験を行う場合があるため、この項目を含めると相場が高めになります。
また住宅の場所によっては、出張費が必要となることや建物の床面積が大きいことで業者によっては別途料金が必要になる場合があります。各業者のホームインスペクションを主に行っているエリア外の地域は出張費がかかってしまうことが多いため、全国対応のホームインスペクション業者でない場合には、各都道府県の自身の市区町村のホームインスペクション業者を探して依頼するとよいでしょう。
また床面積にいては、一戸建てとマンションによって別途料金となる床面積が異なるため、この点も問い合わせのときに事前に確認を行っておくことが大切です。これらの出張費や床面積による別途料金は業者ごとに異なり、差も大きいため、注意が必要です。
そのため、複数社へ総額の相場での見積もりを算出し、比較していくとよいでしょう。
ホームインスペクションの費用負担
これまでホームインスペクションの費用相場について紹介してきましたが、これらのホームインスペクションの費用は誰が受け持つのでしょうか。ここでは、ホームインスペクションの費用負担について紹介します。
基本的にホームインスペクションの費用は、依頼者側が行うことが一般的です。そのため、住宅の買主が行う場合と、売主が行う場合があり、それぞれを買主負担、売主負担と呼んでいます。
しかし新築住宅であれば、買主負担となることが多いです。売主は不動産会社となり、建築に関しての簡易的な調査は基本的に行いますが、一般的な買主が実施するホームインスペクションとは異なるものとなります。
そのため、新築の場合には買主負担でのホームインスペクションとなります。一方、中古住宅の場合には、買主も売主も依頼側になります。
この場合に、もし売主が販売前にホームインスペクションを行うと、物件の安全性が証明でき、住宅の付加価値が高まります。一方、買主がホームインスペクションを行うことで、不具合の有無を明確にできる点がメリットです。
しかし住宅購入前の検討段階でホームインスペクションを依頼する場合の費用は、売主負担となるケースが多いです。また物件にもよりますが、買主も売主も双方でホームインスペクションを導入するケースもあります。
ホームインスペクションを導入し、条件を満たせば瑕疵担保保険の対象となるため、売主も買主も双方によってメリットとなります。住宅に万が一のことが発生しても補償があるため、安心です。
ポン
- 標準的な必要最低限のホームインスペクションの場合、5~7万円程度が多い
- オプション項目検査の費用相場は1万5,000円から3万5,000円程度
- 総額の相場は一戸建ての場合が8万円から14万円程度、マンションは4万円から9万円程度
ホームインスペクション(住宅診断)の説明が義務化!?
ホームインスペクションは、アメリカでは特に中古住宅売買の70~90%の割合(州により異なる)でホームインスペクションを実施されており、既に事前にホームインスペクションを行うのが常識となっています。
日本でも2018年4月から中古住宅の売買時に、ホームインスペクションの説明が義務化されました。そのため、現在では宅建事業を取り扱う業者は、中古住宅の売買契約を結ぶ前の重要事項説明を行う際に「住宅診断会社の斡旋に関する事項を書面で交付」を実施し、「その建物が、過去ホームインスペクションを受けたことがあるか?」の項目を確認し、診断を行う際の事前説明が必須なのです。
ホームインスペクションの説明が義務化された背景は、空き家の有効活用に狙いを定めて、2016年5月に宅地建物取引業を改正したことにあります。それに加えて、日本全体が少子高齢化の影響を受けて、世帯数より空き家の数が上回るようになったことが挙げられます。政府はこの空き家の有効活用を促進させるため、消費者が安心して中古住宅を購入できる仕組みを整備しました。その安心して購入するための改善策の1つとして「ホームインスペクションの知名度向上と空き家の減少」に関する政策を制定したのです。それが、”ホームインスペクションの説明の義務化”です。
政策の制定及び施行により、ホームインスペクションを取り扱う業者が増加し、専門資格の有資格者も増えてきました。それに併せてホームインスペクションの認知度も、買い手側で「確かに知っている」「聞いたことがある」のどちらかを回答した人たちが36.8%、売り手側は51.6%になっています。(全国住宅技術品質協会による調査)ホームインスペクションの有資格者がまだ不足しているためか、知っている人が多いとは言えませんが、今後有資格者の増員を進めていくことで認知度も高くなっていくでしょう。
尚、ホームインスペクションの説明の義務化は中古住宅が対象であり、新築住宅は含まれていません。しかし、新築住宅でホームインスペクションを依頼する際は、事前説明を行う業者のほうが信頼できると言えるでしょう。
ポン
- アメリカでは中古住宅売買の70~90%がホームインスペクションを実施されており、常識化している
- 日本では2018年4月から中古住宅の売買時にホームインスペクションの説明が義務化されている
- ホームインスペクションは空き家の有効活用を促進させるため義務化された
- 新築住宅でホームインスペクションを依頼した場合、事前説明を行う業者のほうが信頼できる
ホームインスペクションの利用についてアンケート調査を実施しました!
ここまで、ホームインスペクションの特徴・普及している背景・メリット/デメリット・費用相場についてご紹介しました。今後、現在の住宅に住み続けたい方もリフォームや売却などを考えている方も、今一度ホームインスペクションを検討してみてはいかがでしょうか。
また今回は、幅広い人を対象にインタビューを実施しています。質問内容は「ホームインスペクションの利用有無」や「依頼した理由」の2つです。
アンケート結果は以下の通りになりました。
①ホームインスペクションを依頼したことはありますか?
②依頼しようと思った理由は何ですか?
アンケートの結果、「①ホームインスペクションを依頼したことはありますか?」に関しては
「はい」が7%で「いいえ」が93%でした。
「②依頼しようと思った理由は何ですか?」に関しては、「補修の必要性・必要箇所を知りたかった」が36%、「損傷の度合いが知りたかった」が32%、「住宅として機能する期間を知りたかった」が22%でした。
やはりホームインスペクションを依頼するということは、家の状態がどうなっているのかを知りたいという気持ちがあると言うことですね。
ホームインスペクションを受けることで、現在住んでいる家がどのような状態なのか、メンテナンスや補修が必要なのかを詳しく知ることができます。もし不明点があっても、住宅のプロが答えてくれますので安心です。
このサイトを参考に、ご自身に合ったホームインスペクション業者を探して、ぜひ依頼してみて下さいね。
管理者情報
ここまでご覧いただきありがとうございました。冒頭でも簡単な自己紹介をしておりますが、ここでも改めてさせていただきたいと思います。
わたしは都内に住む40代のサラリーマンです。家族と安心できる家に住みたいと、ホームインスペクションについて調べました。それらの情報をこうしてまとめてみると、やはりやっておいた方が良さそうだと感じました。
マイホームの購入は大きな買い物なので、後悔しないためにもホームインスペクションをおすすめします。ぜひ当サイトでおすすめした業者をチェックしてみてくださいね。